- 2012年1月12日 金正日体制は徐々に変質し、金正恩体制は長期的には消滅 を【主張・提言・コメント】にアップロードしました。
- 2011年12月20日 金正日総書記の急逝を悼む を【主張・提言・コメント】にアップロードしました。
- 2011年12月18日 薄氷を踏む思いの福島原発事故収束宣言 を【主張・提言・コメント】にアップロードしました。
- 2011年10月28日 「北東アジア非核地帯」を改めて提唱する を【主張・提言・コメント】にアップロードしました。
- 2011年9月10日 福島原発事故は原爆製造能力の証明に非ず――日本は原子力平和利用の優等生 を【主張・提言・コメント】にアップロードしました。
2012年1月12日
金正日体制は徐々に変質し、金正恩体制は長期的には消滅
金正日死去から1ヵ月が経った。軍事優先の「先軍政治」は継承され、息子の代になって、金正日体制が変質する気配は当面ないが、父親の死後まだ日が浅く、「金正恩体制」というほどの統治スタイルは確立してはいないものの、指導部は体制確立に躍起になっているようだ。金正恩が2009年5月のテポドン2号発射に経ち合っていたことを公表したり、さっそうと白馬にまたがる雄姿の写真を公開したり、一連の正恩カリスマ化の試みもその努力の一端だ。しかし、正恩の人となりは一般大衆には浸透しておらず、大衆にとっては、食糧配給と日用品支給の方が先決だ。北朝鮮には、食糧生産と消費物資の絶対量が不足している。中国式の改革開放がまず必要だ。そのためには外国資本の導入、外国企業の誘致が不可欠だ。
「先軍政治」が継承されたのは、治安を維持し、国内秩序を保持しているのは軍部であり、軍の動向が北朝鮮の内政と外交の要になっているからだ。中国式改革開放の導入では、金正日の義弟の張成沢(国防委員会副委員長)が成被のカギを握っている。張成沢が北朝鮮式改革をうまく導入できれば、先軍政治も変質し、金正恩体制は事実上、消滅することになるだろう。その場合、政治上の民主化も同時進行で実現せねばならない。中国が内政干渉を嫌う北朝鮮の民族性をうまく取り込んで、漸進的改革を誘導する役割を果たしてくれることを期待したい。
その時は、「金正恩体制」は消滅し、民主化と市民革命が北朝鮮でも実現するだろう。これこそが北東アジアの平和と民族共生に不可欠の要素だ。これらのプロセスが無血・平和裡に実現するなら、万万才だ。
2011年12月20日
金正日総書記の急逝を悼む
拝啓
金正日総書記殿
2011年12月17日、69歳で波乱万丈の生涯を閉じられました。
朝鮮中央テレビによって公表されたのは、2日後の19日正午(日本時間)でしたが、地方で現地指導の旅に出る途上の列車内でとのこと、脳梗塞を克服して2年有余の真冬のさなか、さぞ体力を消耗され、疲労が蓄積しておられたことと拝察します。
若いころからエネルギッシュで仕事熱心な性格から、じっとしていられなかったのだと推察します。これで「偉大な主席」と同じ永久に安住の地に旅立たれました。ゆっくりお休みください。
私はジャーナリスト兼学者のはしくれとして、貴国の内政・外交を過去20年見守ってきましたが、超大国アメリカを向こうにまわして一歩も引かず、国際舞台で互角の勝負を繰り広げてこられた手腕は実に立派でした。まさに民族の独立と誇りを十二分に発揮してあまりあるものでした。かくして、冷戦終結後も20年以上、巧みな綱渡で、孤高の独立を維持して来られたのはお見事でしたが、その代償として人民の生活は困窮し、一般民衆は慢性の食糧不足に悩みました。
結局、現状では、隣国・中国の属国のような存在になってしまいました。そうした中で日米両国との国交正常化が実現せず、とくに日本とは拉致問題が未解決のまま残され、若輩の後継者・金正恩?大将”の宿題になってしまたのは、心残りと思われます。
拉致問題では、2002年9月の小泉元首相との日朝首脳会談で、みずから拉致を認め、”謝罪”したにもかかわらず、日本の世論が“暴走”して、その後も未解決のままになったのは、はなはだ遺憾です。日本の世論からすれば、「5人生存、8人死亡」で「5人は日本に返したのだから、これで解決済み」という一片の公式発表では、国民感情として済まされないのです。「死亡した」というなら、家族が納得できる確証が不可欠です。
米朝関係については、超大国アメリカを向こうに回してのガチンコ相撲ぶりは、戦後一貫してワシントンに頭が上がらず、常日頃から屈辱的な思いを味わわされている日本人の私にとって、胸のすく思いでしたが、核開発を対米交渉カートとしても弄び、北東アジアの地域の平和を脅かしておられたのは、いただけませんでした。瀬戸際外交を称賛しながら、論理矛盾ですが、正直な印象ではあります。
その米朝交渉も、本格的再開の一歩手前まできていました。その点、さぞ心残りだったと思います。
最後に北朝鮮の政治体制がどうなるかは大いに気がかりです。
「血統を重んじる朝鮮民族にって、革命とは代を継いで継承するもの」という世襲の正当化は、はなはだ身勝手な論理です。人類が二度の世界大戦を経て学んだ知恵が議会制「民主主義」(デモクラシー)なのです。国家権力の世襲は民主主義の原則に反します。貴殿の死後、中長期的経過を経て、北朝鮮でも「民主化」が進み、真の民意で指導者が選ばれる体制が導入されることを祈念しています。
2011年12月18日
薄氷を踏む思いの福島原発事故収束宣言
野田佳彦首相は15日、記者会見して福島第1原発1号機の事故収束宣言をした。低温冷却の状態になり、収束の目途となるステップ2が完了したとのことだが、原子炉内部は手探り状態で、炉心の状況がどうなっているかは定かではない。メルトダウン(炉心溶融)も確認できたわけではない。
いずれにせよ、放射能漏れは微量ながらつづいており、大気を汚染しつづけていることにはかわりない。完全な収束には、あと20−ないし30年を要するとのことだ。放射能に汚染された地域の除染作業の道のりは遠い。壱度でも原発事故が起きると途方もなく高くつくという実例が示されている。
それにしても、東電は善戦健闘している。現状では、再臨界だけは起きないようだ。一時、東電バッシングが盛んだったが、吉田前所長以下、現地スタッフには深甚なる敬意を表したい。








