2008年1月11日
新テロ対策特措法、衆院再可決は「止むを得ない」措置
政府与党は、11日、新テロ対策特措法を衆議院で再可決、海自はインド洋で燃料補給活動を再開することになったが、憲法の規定にもとづく合法的決定であり、それはそれで止むを得ない。
アフガン空爆はブッシュ政権が個別的自衛権の発動として始めたものであり、この軍事行動(「不朽の自由作戦)のために後方支援することは対米追随にすぎず、従来の憲法解釈では違憲とされる集団自衛権行使以外の何ものでもない。
しかし安倍内閣につづく福田内閣も、これこそ「テロとの戦い」の核心と見なし、日本としての最重要の国際貢献と信じ込んでいる以上、衆議院再可決は既定の方針だった。
民主党はじめ野党勢力は参議院では過半数を握ったものの、遺憾ながら、憲法の規定では最終的議決権は衆議院にある。悔しかったら、次の衆議院選挙でも与野党逆転することだ。
洋上補給に対する世論の反対がもっと強かったら、与党も強引に再可決することは控えただろうが、残念ながら国論も二分され、強力に反対するところまではいかなかった。
しかし、この際、日本国民は、「不朽の自由」作戦でテロを根絶することはできないことを知るべきだ。空爆は、アフガン民衆の犠牲者を増やし、タリバンの同調者をアフガン全土に広げ、憎しみの連鎖を加速させるばかりだ。テロは空爆で制圧できるものではない。