2009年3月31日
「北」敵視の世論誘導に疑問あり/「産経新聞」の世論調査
3月31日の産経新聞は、「北朝鮮のミサイル発射に不安を覚える」という日本人が83.2%を占め、「日本がミサイル迎撃態勢をとっている」ことに81%が賛成、さらに「国連での制裁決議などの国際的圧力」に90.5%が賛成、という世論調査の結果を伝えているが、典型的な世論誘導であり、疑問を禁じ得ない。
「発射に不安を覚える」「発射に備え迎撃態勢をとるべきだ」「発射されたら・・・国際的圧力を食われるべきだ」と設問が並んでいれば、だれしも肯定的な回答に同調したくなるではないか。「不安か不安でないか」と訊かれて、「不安ではない」と答える日本人こそ、よほど勇気が要るし、むしろ非常識と思われても仕方ない。
「人工衛星と予告している以上、真意を見抜いて冷静に対処し、成り行きを見極めるべきだ」「日米韓が連携して外交努力を強化すべきだ」「対話を再開し、朝鮮半島非核化に努力すべきだ」といった設問がなく、選択肢がないのだ。対「北」脅威論はこうして増幅されるのだ。