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プロフィール

吉田 康彦

吉田 康彦

1936年東京生まれ
埼玉県立浦和高校卒
東京大学文学部卒
NHK記者となり、ジュネーヴ支局長、国際局報道部次長などを歴任

1982年国連職員に転じ、ニューヨーク、ジュネーヴ、ウィーンに10年間勤務

1986−89年
IAEA (国際原子力機関)広報部長

1993−2001年
埼玉大学教授
(国際関係論担当)
2001-2006年
大阪経済法科大学教授
(平和学・現代アジア論担当)

現在、
同大学アジア太平洋研究センター客員教授

核・エネルギー問題情報センター常任理事
(『NERIC NEWS』 編集長)

NPO法人「放射線教育フォーラム」顧問

「21世紀政策構想フォーラム」共同代表
(『ポリシーフォーラム』編集長)

「北朝鮮人道支援の会」代表

「自主・平和・民主のための国民連合・東京」世話人

日朝国交正常化全国連絡会顧問

学歴・職歴

北朝鮮人道支援の会

  • 設立宣言
  • 活動実績
  • 入会申込書
  • 代表・役員
  • ニューズレター

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主張・提言・コメント
TOP > 主張・提言・コメント > 南北銃撃戦は、北からの”恒久平和呼びかけ”メッセージ

2009年11月11日

南北銃撃戦は、北からの”恒久平和呼びかけ”メッセージ

11月10日、韓国と北朝鮮の警備艇が朝鮮半島西岸の黄海で銃撃戦を繰り広げ、緊張が走ったが、北の政治的挑発で、拡大の可能性はないものと思われる。本格的交戦となれば、装備で劣る北朝鮮の敗北が明白だからだ。

北朝鮮は海域の軍事的境界とされるNLL(北方限界線)を認めておらず、米韓両国による不当な冷戦構造の押し付けとみなしている。したがって、今回の衝突は偶発ではなく、北朝鮮側の政治的示威行動である可能性が高い。

北としては、ボスワース米特使の訪朝を前にしてNLLの不当性を訴え、朝鮮半島に残る冷戦構造の払しょくが平和体制確立に不可欠であることを主張したかったものと解釈される。ボスワース特使が、訪朝に際して北の核廃棄を要求することは確実だが、北にすれば、米朝平和条約締結による冷戦構造除去が譲れない条件であり、その具体的事例としてNLLの存在を想起させようとしたわけだ。

一部に米朝協議の延期を予測する向きもあるが、影響はなく、ボスワース特使は予定通り12月初旬に訪朝するだろう。

朝鮮戦争が1953年に休戦協定が結ばれたが、「休戦」は国際法上、戦争状態と変わらず、一触即発のもろい平和なのだ。韓国は在韓米軍に守られているが、北にすれば平和条約(協定)が結ばれ、米朝国交正常化が実現しない限り、枕を高くしては眠れないのだ。核・ミサイル開発も、体制生き残りのための貴重なテコであり、交渉カードなのだ。この点をわれわれ日本国民は理解する必要がある。

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