2009年11月20日
米朝2者協議か6者協議か/朝鮮半島非核化の真実
「北朝鮮の核問題は米朝直接交渉で解決する。必要なら金正日総書記に会いに行く」――これは大統領選挙運動中にオバマ候補がくりかえし強調していたことだ。就任したら、一転して6者協議重視のブッシュ前政権と変わらぬ政策になった。ブッシュ政権の6者協議重視は問題先送りの時間稼ぎだったのだ。オバマ政権までそれをくり返してはならない。
オバマ大統領は、今回の日中韓3国歴訪に際して、まるで判を押したように、東京でも北京でもソウルでも、北朝鮮に対し6者協議復帰をくり返し呼びかけたが、およそ主体性を欠いた発言である。北が6者協議に復帰するかどうかは、12月8日からのボスワース特使の訪朝の結果次第だ。
「米朝協議に進展があれば、6者協議を含む多国間交渉に出席する」と金正日総書記が、訪朝した温家宝首相に明言しているではないか。要は、米朝協議を進展させればいいのだ。しからば”進展”とは何か。
北に一方的に核廃棄を約束させることではない。見返りに経済支援をすることでもない。米国が、朝鮮半島に残る冷戦構造を払拭し、恒久平和を打ち立てることだ。半世紀以上、休戦状態にある朝鮮戦争を正式に終結させるための米朝平和条約を締結し、国交正常化することだ。これは米国にしかできない。日中韓は当事者ではない。すべてはオバマ氏の決断にかかっている。