2010年11月10日
非公開映像のネット流出は不可避
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の映像流出は、海上保安庁の職員の犯行だったことが10日判明したが、この種の犯罪阻止は不可能であり、今後も続発するだろう。時代の変化だ。日本社会は情報化時代への対応が甚だしく遅れている。菅内閣は無為無策で、右往左往しただけだった。
海保職員が映像をユーチューブに流出させた動機は、単なるいたず心か、政府の隠ぺい体質に対する抗議か、公開すべしとする正義感に駆られたものか、明らかになっていないが、いずれにせよ、この種の映像の非公開管理は困難だ。隠そうとすればするほど、暴露したくなるのが人間の本能だ。しかも全世界が情報化社会だ。
私は、映像を流出させた神戸海保保安官の行為を勇気あるものとして称えたい。動機は何であれ、日本の国内法に照らして守秘義務違反であれ、彼の行為がなかったら、日本国民の大半は尖閣諸島沖で日中間に何が起きたか、おそらく何も知らされなかったであろう。