2010年11月24日
黄海沖の南北砲撃戦は金正恩の実績づくり
23日の南北軍事境界線(北方限界線)付近の延坪島に対する北朝鮮人民軍の突然の」砲撃には驚いたが、権力継承決定後の北の対南強硬路線から判断すれば、当然の成り行きであり、金正恩の実績づくり、いわば度胸試し、運試しと考えれば納得できる。そもそも、東西冷戦終結後20年も経って、朝鮮半島には冷戦構造が残っていることに根本原因がある。朝鮮戦争勃発から60年を経て、いまだに休戦状態のままであり、米朝間に平和条約が結ばれていないことはまことに不自然極まりない。
その意味で、砲撃は平和条約締結に向けての北からの重ねてのメッセージ、シグナルだったのだ。
米国の歴代政権が金日成・金正日体制の消滅・崩壊を期待して米朝平和条約締結を怠り、時間稼ぎをしてきたことが問題なのだ。北東アジアの恒久平和は、北朝鮮という国家とその特異な体制をプレーヤーに加えた上で多国間の安全保障システムを構築し、共同管理する以外に現実的方策はないことを知り、受け入れるべきだ。その意味で、日朝国交正常化も時代の必然と知るべきだ。
これが南北砲撃戦の教訓である。