2010年11月26日
南北砲撃戦にともなう朝鮮学校無償化撤回は自己矛盾
23日の北朝鮮による黄海沖の韓国領延坪島砲撃事件を受けて、文部科学省は高校無償化に朝鮮学校を含める作業を中断、事実上無償化の対象から除外する方針であることを示唆した。しかし、これは「外交上の問題は無償化の対象とするかどうか考慮の対象としない」という同省の方針に反し、教育に政治を持ち込む暴挙だ。
朝鮮学校の生徒は半数が韓国籍であり、北朝鮮本国の政策と行動とは無関係だ。文科省もこうした実情を理解して、ようやく朝鮮学校も無償化の対象に含める方向で検討中の矢先に事件は発生したものだが、同省は本来の方針に立ち返って朝鮮学校も無償化の対象に含めるべきだ。
南北砲撃戦は、単に北朝鮮を非難して解決する問題ではない。根本には朝鮮戦争に恒久的終結をもたらす対「北」平和条約締結を拒否し、先延ばしにしてきた歴代米政権に責任がある。 朝鮮戦争勃発後60年を経ていまだに「休戦状態」のまま放置していることに問題があるのだ。砲撃戦の舞台となった「北方限界線」も南北当事者間に合意がなく、対立と交戦が頻繁に繰り返されてきた。休戦はすでに壊れていたのだ。