2011年12月18日
薄氷を踏む思いの福島原発事故収束宣言
野田佳彦首相は15日、記者会見して福島第1原発1号機の事故収束宣言をした。低温冷却の状態になり、収束の目途となるステップ2が完了したとのことだが、原子炉内部は手探り状態で、炉心の状況がどうなっているかは定かではない。メルトダウン(炉心溶融)も確認できたわけではない。
いずれにせよ、放射能漏れは微量ながらつづいており、大気を汚染しつづけていることにはかわりない。完全な収束には、あと20−ないし30年を要するとのことだ。放射能に汚染された地域の除染作業の道のりは遠い。壱度でも原発事故が起きると途方もなく高くつくという実例が示されている。
それにしても、東電は善戦健闘している。現状では、再臨界だけは起きないようだ。一時、東電バッシングが盛んだったが、吉田前所長以下、現地スタッフには深甚なる敬意を表したい。