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プロフィール

吉田 康彦

吉田 康彦

1936年東京生まれ
埼玉県立浦和高校卒
東京大学文学部卒
NHK記者となり、ジュネーヴ支局長、国際局報道部次長などを歴任

1982年国連職員に転じ、ニューヨーク、ジュネーヴ、ウィーンに10年間勤務

1986−89年
IAEA (国際原子力機関)広報部長

1993−2001年
埼玉大学教授
(国際関係論担当)
2001-2006年
大阪経済法科大学教授
(平和学・現代アジア論担当)

現在、
同大学アジア太平洋研究センター客員教授

核・エネルギー問題情報センター常任理事
(『NERIC NEWS』 編集長)

NPO法人「放射線教育フォーラム」顧問

「21世紀政策構想フォーラム」共同代表
(『ポリシーフォーラム』編集長)

「北朝鮮人道支援の会」代表

「自主・平和・民主のための国民連合・東京」世話人

日朝国交正常化全国連絡会顧問

学歴・職歴

北朝鮮人道支援の会

  • 設立宣言
  • 活動実績
  • 入会申込書
  • 代表・役員
  • ニューズレター

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主張・提言・コメント
TOP > 主張・提言・コメント > 金正日体制は徐々に変質し、金正恩体制は長期的には消滅

2012年1月12日

金正日体制は徐々に変質し、金正恩体制は長期的には消滅

金正日死去から1ヵ月が経った。軍事優先の「先軍政治」は継承され、息子の代になって、金正日体制が変質する気配は当面ないが、父親の死後まだ日が浅く、「金正恩体制」というほどの統治スタイルは確立してはいないものの、指導部は体制確立に躍起になっているようだ。金正恩が2009年5月のテポドン2号発射に経ち合っていたことを公表したり、さっそうと白馬にまたがる雄姿の写真を公開したり、一連の正恩カリスマ化の試みもその努力の一端だ。しかし、正恩の人となりは一般大衆には浸透しておらず、大衆にとっては、食糧配給と日用品支給の方が先決だ。北朝鮮には、食糧生産と消費物資の絶対量が不足している。中国式の改革開放がまず必要だ。そのためには外国資本の導入、外国企業の誘致が不可欠だ。

「先軍政治」が継承されたのは、治安を維持し、国内秩序を保持しているのは軍部であり、軍の動向が北朝鮮の内政と外交の要になっているからだ。中国式改革開放の導入では、金正日の義弟の張成沢(国防委員会副委員長)が成被のカギを握っている。張成沢が北朝鮮式改革をうまく導入できれば、先軍政治も変質し、金正恩体制は事実上、消滅することになるだろう。その場合、政治上の民主化も同時進行で実現せねばならない。中国が内政干渉を嫌う北朝鮮の民族性をうまく取り込んで、漸進的改革を誘導する役割を果たしてくれることを期待したい。

その時は、「金正恩体制」は消滅し、民主化と市民革命が北朝鮮でも実現するだろう。これこそが北東アジアの平和と民族共生に不可欠の要素だ。これらのプロセスが無血・平和裡に実現するなら、万万才だ。

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