2012年9月14日
民主党政権ようやく脱原発路線を打ち出す
野田内閣は9月14日、ようやく脱原発路線に踏み切った。2030年代に原発稼働ゼロを実現するために、あらゆる政策・資源を投入するというのだが、たとえば使用済み燃料からプルトニウムを取り出す「再処理」をどうするのか、つまり核燃サイクルを完全に放棄するのか、あるいは高レベル放射性廃棄物処理問題をどう解決するのかなど、これを補完する政策は不明確なままだ。政府は再処理事業は継続したい方針のようだが、将来的に脱原発が実現すれば再処理の必要はなくなる。
矛盾点が少なくない。私は段階的脱原発を唱えてきた立場上、、大筋で賛成だ。「再処理」事業は断念して使用済み燃料は直接処分するのがよいと思うが、推進路線に協力してきた地元の説得など、軌道修正の完成にはまだまだ時間がかかりそうだ。原子力推進路線からの撤退は紆余曲折をたどりそうだ。「脱原発」も容易ではないことを政府も国民も知るべきだ。