2010年2月26日
鳩山首相の認識不足/高校無償化をめぐる朝鮮学校除外問題
高校授業料無償化法案が国会で審議入りしたが、朝鮮学校除外の動きに強く抗議する。
鳩山首相は、25日、記者団に対し、「(朝鮮学校で)どういうことを教えているのか見えないなかで、中井拉致問題担当相の発言はひとつの考えだ」と理解を示したが、驚くべき認識不足だ。鳩山首相はその後、発言を軌道修正し、「文科省が検討中」としたが、総理大臣としてのリーダーシップが微塵も感じられない。
朝鮮学校でどういうことを教えているかは、何ら秘密ではなく、文科省のカリキュラムに準拠して実施されており、すべて公開されている。私自身、何度も授業を参観している。下記のとおり、国内の国公私立大学のほとんどが受験資格を与え、入学を認めている。
高校授業料無償化は、民主党政権の目玉のひとつになっているが、すでに世界の潮流であり、日本が遅れているのだ。国際人権規約第13条では、「中等教育は、無償教育の導入により、すべての者に対し機会が与えられるものとする」と規定されている。
「鳩山発言は納得できない。文科省が省令で決める問題だ」と川端文科相の発言している点だけが救いである。文科省は朝鮮学校も支給対象とした予算案を組んでおり、既定方針を貫くべきだ。
この問題は、国際的にも注目され、おりからジュネーブで開催中の「人種差別撤廃に関する国連人権委員会でも、委員の中から「学校教育においては差別が存在してはならない」という発言があった。