2012年10月26日
日朝国交正常化の課題ーー袋小路の日朝関係
日本と北朝鮮の関係は完全に膠着状態にある。
日本は拉致問題の取り上げをいかなる政府間接触再開の不可欠の条件としているのに対し、北朝鮮側は「拉致問題は解決済み」として議題化に応じようとしないからだ。おそらく最高指導部の方針でそうなったのだろう。金正雲第一書記をもってしても、くつがえすことのできないけっていなのだろう。
しからば、不毛な「がまんくらべ」を続けることにどれだけ意味があろうだろうか。北朝鮮の体制からして、いったん政府が「死亡」と公表してものがくつがえり、「実は生きていた」となることは、体制転覆あるいは消滅がないかぎり、期待できない。旧「現代コリア」グループはそれを試みているが、米中韓などの近隣諸国が協力しない限り、実現は不可能だ。
いずれにせよ日本は、「拉致被害者全員帰還」の旗を降ろして、対北朝鮮政策を根本から再検討すべき時にある。