テーマ別

プロフィール

吉田 康彦

吉田 康彦

1936年東京生まれ
埼玉県立浦和高校卒
東京大学文学部卒
NHK記者となり、ジュネーヴ支局長、国際局報道部次長などを歴任

1982年国連職員に転じ、ニューヨーク、ジュネーヴ、ウィーンに10年間勤務

1986−89年
IAEA (国際原子力機関)広報部長

1993−2001年
埼玉大学教授
(国際関係論担当)
2001-2006年
大阪経済法科大学教授
(平和学・現代アジア論担当)

現在、
同大学アジア太平洋研究センター客員教授

核・エネルギー問題情報センター常任理事
(『NERIC NEWS』 編集長)

NPO法人「放射線教育フォーラム」顧問

「21世紀政策構想フォーラム」共同代表
(『ポリシーフォーラム』編集長)

「北朝鮮人道支援の会」代表

「自主・平和・民主のための国民連合・東京」世話人

日朝国交正常化全国連絡会顧問

学歴・職歴

北朝鮮人道支援の会

  • 設立宣言
  • 活動実績
  • 入会申込書
  • 代表・役員
  • ニューズレター

リンク

その他
TOP > その他 > 定住外国人に対する地方参政権付与に賛成

2008年2月16日

定住外国人に対する地方参政権付与に賛成

民主党が永住外国人に対する地方参政権を認める法案を提出する方針を決めたことを歓迎する。本件は、公明党が1990年代から提唱していたものの、自民党内に反対が多く、法制化は実現していなかった。定住外国人に地方参政権を付与するのは世界の常識である。

 

私自身1980年代にフランスに6年間在住していた際、市町村レベルの参政権を与えられていた。在韓日本人にもやはり地方参政権が認めたれているが、日本では、日本生まれ、日本育ちの「在日」にも認めていない。日本には60万の日本生まれ、日本育ちの在日韓国・朝鮮人がいて日本社会の一員を構成しているが、彼らにはたとえ市町村レベルでも選挙権も被選挙権も与えていない。

 

私は、拉致問題が未解決だからといって北朝鮮バッシングには(くみ)さない。それで問題が解決するわけではないからだ。日朝国交正常化の早期実現こそが日本の国益に資すると確信している。北朝鮮の対外政策の理解者を自認し、不当な“迫害”を受けている朝鮮総聯の立場に同情しているが、何から何まで支持し、賛同しているわけではない。その一例として、総聯が参政権を要求せず、むしろ「要らない」という立場をとっていることがある。

 

日本の住民として納税の義務を果たしながら、権利を行使しようとしないのは自己矛盾だ。過去の日本の「同化政策」に反対し、それを警戒しての方針だが、地方参政権を取得したからといって在日朝鮮人が同化されることにはならない。むしろ少数民族の権利を主張する機会を自ら放棄することで同化に手を貸しているようなものだ。その点は参政権を要求している「民団」(韓国系)の方が正しい。

 

自民党保守派の反対理由には、排外思想のほかに、「在日」のなかに過激分子が存在していることがあったが、朝鮮総聯が参政権を返上しているため、かえって好都合だったわけだ。しかし総聯はいまや組織解体寸前の状態にある。金正日総書記も、「日本社会の一員として愛され、信頼される存在たれ」と指令しているという。であるならば、時代錯誤的な反対を撤回して、民団と足並みを揃えて参政権付与を要求すべきだ。そうでないと、「要らない」という者に与える必要はない、という付与反対の論理に手を貸すことになりかねない。

新刊案内

最新刊
北朝鮮を見る、聞く、歩く

北朝鮮を見る、聞く、歩く
(平凡社新書500)
【定価800円+税】

「北朝鮮」再考のための60章

「北朝鮮」再考のための60章
(明石書店)
【定価2000円+税】

「北朝鮮核実験」に続くもの

「北朝鮮核実験」に続くもの
(第三書館)
【定価1200円+税】

国連改革

国連改革
(集英社新書)
【定価700円+税】

21世紀の平和学

編著 『21世紀の平和学
(明石書店)
【定価2400円+税】

現代アジア最新事情

編著 『現代アジア最新事情
(大阪経済法科大学出版部)
【定価2600円+税】

国連安保理と日本

訳著 『国連安保理と日本
(岩波書店)
【定価3000円+税】

動き出した朝鮮半島

共著 『動き出した朝鮮半島
(日本評論社)
【定価2200円+税】