2009年9月19日
鳩山内閣の「官僚の記者会見禁止」の一律適用は愚策
鳩山由紀夫首相は、脱官僚による政治主導を徹底するため、事務次官以下”役人”の記者会見を禁止、このためニューヨークの高須国連大使、ワシントンの藤崎駐米大使が相次いで会見を中止した。外務省の過剰反応のようだが、民主党の方針も愚策だ。
日本は情報発信機能が弱く、国際社会でその主張・行動が理解されないことが多い。ただでさえ、対米追随色が強く、「米国の51番目の州」を揶揄される日本だ。その意味で、「対等の日米関係」を標榜する民主党に対する国民の期待は大きい。それだけに、日本からの情報発信の必要性は増すばかりだ。
そうした折から、海外に常駐する日本大使の記者会見まで禁止するのは逆効果だ。鳩山首相は「大臣の指示があれば許可する」と軌道修正したが、ニューヨーク、ワシントンに常駐する外交のトップの場合、指示もへったくりもない。常時、許可すべきだ。その場合、大使らが新政権の方針を忠実に守り、それに沿った発言をすべきことは言うまでもない。
ただし出先の大使の会見が常時、日本人記者団相手のサービスに終始すべきではない。外国人(現地)記者団のニーズに応じて、国際社会向けの情報発信を最優先すべきだ。