2010年1月27日
ハイチPKOへの自衛隊派遣は当然
鳩山内閣は、ハイチPKO(平和維持活動)への300人規模の陸上自衛隊派遣を決めたが、当然の決定だ。これは国連安保理が、19日、3500人の増派を決議したのを受けたものだが、自衛隊派遣の「5原則」を当てはまらない。ハイチは現在、紛争状態にはなく、任務は地震災害の復旧作業だからだ。
自衛隊参加の「5原則」というのは、(1)停戦協定の成立 (2)紛争当事者の受け入れ合意 (3)中立の維持 (4)撤収の自由 (5)必要最小限の武器使用、だが、こんな旧態依然の「原則」を振り回していたのでは、人道上の緊急事態には役立たない。
自衛隊は、すでに、ザイール(現・コンゴ民主共和国)、東ティモールに派遣されて難民・避難民の救済に従事した経験があり、さらにトルコ、インド、イラン、インドネシアを襲った地震災害の被災者救援にも駆けつけている。今回のハイチ派遣はこれらと同じ人道上の救援活動だ。
それにしても、今回の日本政府の対応は、人材派遣でも、復興支援の資金拠出でも後手後手にまわり、金額も少なかった。とくに資金拠出では、各国の拠出総額が5億ドルを超えるなかで、日本の当初の拠出額は532万ドルに過ぎず、全体の1%に満たなかった。「ハイチは遠いから」というのは理由にならない。お隣の中国も韓国も、いち早く災害救助の要員を派遣し、日本を上回る支援金拠出を決めている。民主党内閣は脱官僚・政治主導を主張しながら、人道上の国際感覚欠如を露呈した。