2007年1月03日
潘基文新国連事務総長に期待する
潘基文・韓国通商外交相が第8代国連事務総長に就任した。アジアからは第3代のウタント氏(ビルマ、現ミャンマー出身)に続いて2人目、東アジアからは初の国連最高幹部の輩出である。
潘氏はキャリア外交官で、ソフトな対応、円満な人柄に定評があるが、他方、八方美人で、果断な行動力に欠けるという批判もつきまとう。
就任前の記者会見で、「最大の関心事は北朝鮮の核で、必要なら自ら訪朝して金正日総書記と会談したい」と述べたが、北朝鮮の念頭にあるのは、米国との直接交渉で、国連の仲介は望んでいない。過去にもブトロス=ガリ氏が訪朝したことがあるが、何の役割も果たせなかった。金正日総書記にも面会できなかった。
それよりも潘氏に期待するのは、安保理改革だ。安保理改革は、国連創設60周年の2005年、日独インド、ブラジルを常任理に加えるG−4決議案を中心に具体案が審議されたが、関係国の利害の対立で採択には至らず、失速した。現在、とりあえず任期4年で再選可能な「準常任理事国」を新設しようという妥協案が根回しされている。これはアナン前事務総長が在任中、ハイレベル諮問委員会の構想として提案したものだが、それでもよい。とにかく実現して改革の突破口にすることだ。
【HP2007年1月3日掲示】