2009年2月12日
ボスワース北朝鮮担当特使任命を歓迎する
ロイター通信によると、スティーヴン・ボスワース元韓国駐在大使が、オバマ政権の北朝鮮担当大使に任命される見通しだという。適材適所の人事として歓迎したい。
ボスワース氏は今月初旬、アブラモウィッツ元国務次官補ら7人の米民間代表団を率いて訪朝し、金桂官外務次官(6者協議首席代表)らと懇談、北の最新の動向を把握している。同氏は駐韓大使就任の前は、クリントン政権下の「米朝枠組み合意」履行のためのKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)初代事務局長として北朝鮮との交渉・接触の窓口役だったので、北朝鮮指導部の思考様式、ひいては朝鮮民族のメンタリティー(精神構造)に通暁している数少ない米国人外交官だ。
これで、中東(パレスチナ・イラク・イラン)、南西アジア(アフガニスタン・パキスタン)担当特使に続いて、北朝鮮担当特使も決まり、世界の主なホットスポットにオバマ政権のスペシャリストが張り付くことになった。
米朝関係については、前任のクリストファー・ヒル氏(東アジア担当国務次官補)も誠実な人柄で北に信頼されてはいたが、ワシントンにチェイニー副大統領以下ネオコンの残党が根を張り、6者協議の円滑な進展を阻害した。ネオコンとのくされ縁がブッシュ政権の致命傷だった。その点、ボスワース氏の方がはるかに手腕を発揮できる環境にあると思われる。
オバマ=(ヒラリー)クリントン外交の本格的始動を期待したい。