2009年12月09日
普天間問題で鳩山首相は「国外」移転の主張を貫け
普天間基地の辺野古移転で日米政府間に合意が成立していたにもかかわらず、鳩山首相がこれを覆し、ワシントンの不信と不興を買っていると、「読売」「産経」など保守派の新聞が連日批判しているが、鳩山氏は堂々と民主党の公約と政治家としての所信を貫くくべきだ。
政権交替は民意にもとづく国民の選択であり、政府間の合意が覆ることもある。2003年のイラク戦争(ブッシュの戦争)に際して、1400人規模を派兵していたスペインは、2004年4月の総選挙の結果、与野党が逆転、派兵反対の社会労働党が政権を握り、サバテロ首相はさっさとスペイン部隊をイラクから撤退させた。
今回の総選挙で、民主党はマニフェストで「普天間見直し」を訴え、鳩山首相自ら県外・国外移転を唱えていたし、連立与党の社民党は強硬に県外・国外を主張している。鳩山首相の発言は必ずしも首尾一貫せず、米政府の対日不信を駆り立てる一因となっているが、ひるむ必要はない。沖縄県民の負担軽減は日本国民の総意なのだ。
普天間移転が先延ばしされても、日米同盟がゆらぎ、崩壊するようなことはない。日米関係はそんな脆弱なものではない。鳩山首相に求められるのは、時間をかけて十分に説明責任を果たすことだ。「対等な日米関係」構築のためには、間断なきコミュニケーションが不可欠だ。