2011年3月30日
サマータイムを即時実施せよ
私は欧米社会で通算13年を過ごしたが、サマータイム即時実施に賛成だ。従来、(1)緯度の低いい日本列島では節電・省エネ効果があまりないこと、(2)各家庭に配備されているデジタル機器が多く、時刻をずらすが煩わしいと思う日本人が多いこと、(3)企業が便乗して労働強化を強いる結果、しわ寄せが労働者にいくこと、などの理由で、政府も実現一歩手前で実施に踏み切れなかった。
しかし、今はそんなことは言っていられない。東電は、電力事情逼迫のため、今夏も計画停電の延長・強化を今から予告しており、日本国民は“暑い夏”を覚悟しなければならない。そのためには、たとえ効果は少なくとも、手近な手段の省エネ方法があれば採用すべきだ。私の経験から、サマータイムは煩雑なものではない。1時間でも早寝早起きするのは健康に良いし、いまさら労働強化の理由にはならない。
日本も、戦後まもない1948年にGHQ(連合軍総司令部)の指導でサマータイムを導入したことがあるが、当時は政府当局、企業側の労働強化策に勤労者側が反発して長続きしなかった。今は時代が違う。1パーセントでも省エネ効果があれば実施すべき時だ。欧米諸国はすでに春分の日から今年のサマータイムを導入している。「善は急げ」だ。